本稿が発表されたのは1962年だが、その前年である61年、アメリカ産業界ではおよそ賢明とは言いがたい行動が散見された。そこでドラッカーは、大企業とその経営を預かる経営者は、もはや一組織の利益だけを追求する「経済機関」ではなく、社会と国民に貢献する「社会機関」であるとあらためて主張し、アメリカ社会が大企業とその経営者たちに期待する使命と役割、そして国民の多くが疑問視している問題について解説する。
本稿が発表されたのは1962年だが、その前年である61年、アメリカ産業界ではおよそ賢明とは言いがたい行動が散見された。そこでドラッカーは、大企業とその経営を預かる経営者は、もはや一組織の利益だけを追求する「経済機関」ではなく、社会と国民に貢献する「社会機関」であるとあらためて主張し、アメリカ社会が大企業とその経営者たちに期待する使命と役割、そして国民の多くが疑問視している問題について解説する。