戦略的リーダーは6つのスキルを用いる

 英国の著名な銀行家であり資本家のネイサン・ロスチャイルドは、莫大な富が生じるのは舞踏会でバイオリンが奏でられる時ではなく、港に砲弾が飛来する時だと述べた。彼は、先が読めない環境ほどチャンスが大きいことを理解していた。ただし、それはチャンスを活かせるリーダーシップスキルを持ち合わせていればの話である。

 ペンシルバニア大学ウォートンスクールとディシジョン・ストラテジーズ・インターナショナル(DSI)は、これまでに経営幹部2万人以上を対象に調査を実施し、6つのリーダーシップスキルを特定した。その6つとは、先を見通す力、疑問を投げかける力、読み解く力、意思決定力、一つの方向にまとめる力、学習する力である。リーダーがこれらを習得して活用すると、戦略的に考え、未知の状況を巧みに舵取りできるようになる。

 いずれもリーダーシップに関する文献で注目されてはいるが、通常は単独で取り上げられるものだ。ビジネスとキャリア双方の成功を左右する可能性があるような、リスクも高く、不確実きわまりない特殊な文脈で論じられることはめったにない。