購買の決め手となるキーパーソンは1人でない

 営業担当者はこれまでずっと、顧客企業内で決裁権を持つ経営幹部を探すようにと教えられてきた。ところが現在は、売り込む先の社員数が50人であれ5万人であれ、1人で決定を下せる人物が見つかることは稀である。

 意思決定権がグループに委ねられ、各メンバーは異なる役割を持ち、全員に拒否権が与えられていることのほうが多いのだ。全員の合意を取り付けて取引を成立させる過程は、顧客にとってもサプライヤーにとっても、ますます手間と時間がかかるようになっている。

 購買グループが営業にどのようなインパクトを与えるかを理解するために、コーポレート・エグゼクティブ・ボード(CEB)は先頃、B2Bの購買活動に携わるステークホルダー5000人以上を対象に、4種類の調査を実施した。その結果、購入案件ごとに平均して5.4人が公式に署名しなければならない現状が判明した。