B2Cはもとより、B2B企業ですら、いまやeコマースと無縁ではいられない。しかし、ほとんどの企業がその戦略を立案するうえで、「マルチサイド・プラットフォーム」(MSP)を単なるインフラと考え、その真の目的や戦略、力学について軽視している。MSPとは、たとえばOSであり、最近ならばアマゾン、グーグルなどである。トイザらスはアマゾンと独占的提携を結んだが、MSPとしてではなく、単なるオンライン小売業として見たことで、高い授業料を支払うはめになった。一方、世界最大のゲーム開発会社、エレクトロニック・アーツは、マイクロソフトの思惑と提携後の力学を理解することで、不利な立場に追いやられることなく、自分たちの価値を守った。本稿では、いかにMSPを賢く活用するか、すなわち「グーグル戦略」について、解説する。