「フロー」と「ストック」を
使い分ける社会へ

熊本 僕はこの感覚を「フロー」と「ストック」という言葉で表現していますが、今はフローとして利用するサービスと、ストックとして所有するモノとを消費者が使い分ける時代なのだと考えています。

 クルマについていえば、配車サービスのUberや自動走行車を移動手段として使いつつ、自己表現のツールとして、あるいは心躍る体験をするためにクルマを所有するという時代になるのではないでしょうか。

入山 フローのサービス提供手段としてモビリティとしての機能だけを求められるクルマと、ストックするモノとしての体験価値を強く求められるクルマとに、二極化していくということかもしれませんね。その点で、マカンは、ストックする価値を持ったクルマだと思います。

熊本 他者からかっこいいと思われる優れたデザインと、利便性をバランスさせること。これは、僕がデザインしてきた家電などが目指す方向性と同じです。ただし、デザインと利便性だけでなく、使ったときにそのブランドが持つ本物の体験を提供できないと、長く愛されるプロダクトにはならない。マカンは、これらを非常に高いレベルでまとめ上げています。