ライフサイエンスモデルのオペレーション
医師、患者を含めたライフサイエンス業界全体において、一連のサービスでアウトカムベースのプログラムをつくるには、現在のオペレーションモデルを大きく変革する必要があります。ライフサイエンス企業は、患者サービスを変革し、量から質に移行するために、3つのアプローチを採用しています。
患者エンゲージメント
治療中の患者に重要なリマインダーやサポートを提供する患者エンゲージメントおよび患者サービスは一般的になりつつあります。疾病や治療に合わせたツールや患者と医療提供者を結ぶケアコーディネーションを提供するモバイルアプリには、服薬時間を知らせるものや糖尿病患者の活動量計になるものなどがあります。たとえば、C型肝炎の新しい投薬治療では、このようなインフラストラクチャーが活用されているほか、特定の治療分野に深いパイプラインを持つ企業、たとえば、多発性硬化症を専門とするBiogen2のような企業は、すでに独自の患者サービス専門部署を立ち上げています。
患者サービス
このアプローチによって、モバイルアプリや医療提供者対面ツール(治療アルゴリズムなど)を通じて、高応答患者を特定し、リアルワールドデータ登録から患者のアウトカムを収集することができます。WellDoc3やPropeller Health4などの起業家的企業は保険支払者および医療提供者と協力して、患者、医療提供者、ライフサイエンス企業の間の隙間を埋めようとしています。
患者ケアマネジメント
統合されたこのアプローチにおいては、企業は、通常はサービスベースの収益モデルの一環として、医療提供者システムあるいは複数システムと連携し、患者集団および患者集団の中の個々の患者の状態を向上させることを目指します。一例を挙げると、PhilipsはSalesforce.comと提携して、病院と自宅を結ぶ画期的なケアプラットフォーム、HealthSuite Digital Platform5を立ち上げました。さらに、LindeとMedtronic6 (Diabeter in EuropeとCareLink Network)は患者ケアマネジメントビジネスを設立しました。
出典
4 First World Pharma, “FDA clears Propeller Health’s digital health platform in association with GlaxoSmithKline, Boehringer Ingelheim inhalers,”
5 Gigaom.com, “Philips launches wearable for chronic illness, to make the internet of things medical-grade,”
6 Medtronic社のウェブサイト、http://www.usa.philips.com/healthcare-innovation/about-health-suite