1979年に発表された、トム・ピーターズのHBRデビュー作である。欧米企業20余社のリーダーたちへの実地調査の結果を踏まえて、これまで体系的で合理的に描かれてきた「リーダーの仕事」について、それは非現実的であり、経営学者たちの幻想にすぎないと一蹴する。ピーターズは、リーダーたちの日常は雑然としており、その結果、意思決定といっても二者択一であり、時間は細切れにしか使えず、また悪い知らせは聞かされず、何事にも長い時間が必要だと言う。しかし、このような状況に置かれているからこそ、組織の複雑性にまどわされることなく核心を突くことができ、またさまざまな課題にも的確に対処できるのだ。そして、リーダーの使命は、価値観のマネジメントであり、そのために率先垂範することであると結論する。