戦略とコスト構造を
常に整合させる
──ニューノーマルの状態を維持するのは、簡単なことではなさそうです。
ニューノーマルを維持するために必要な要素は、3つあると思います。
1つめが、持続的な改善です。これは日本の企業が得意とするところかもしれません。新しい組織を成功に導くうえでの一人ひとりの役割を理解してもらい、仕事のプロセスや情報共有のあり方、そして社員の行動などを持続的に改善していくのです。
2つめは、戦略とコスト構造を常に整合させることです。そのためには、計画立案や予算編成プロセスを戦略と密接に結び付けることで、自社を差別化するケイパビリティにリソースを再配分し続けることが必要です。
そして3つめが、組織文化の強化です。ニューノーマルに入った段階では、変革の必要性や、それが道理にかなっていることを実感する社員が増えているはずですから、経営陣やマネージャーはそうした社員をしっかりサポートし、彼らの理解を深め、やる気を高める必要があります。社員に権限やインセンティブを与えたり、実績評価の仕組みを変えたりすることで、コスト意識の高い行動や文化を強化する方法もあるでしょう。
結局のところ、社員一人ひとりが日々行う決断や行動によって、企業の命運は左右されるのです。
──日本の経営者に一言、お願いします。
「成長のための最適化」アプローチによって、企業が戦略の立案から実行までの一連の改革に取り組むことを、全面的に支援する準備がPwCにはできています。
成長への企業変革を設計し、実行するのはトップの役割であり、その大事な任務を行うに当たってコンサルタントの手を借りることを躊躇する経営者もなかにはいらっしゃいます。それは、アメリカでも日本でも同じだと思います。
ただ、PwCには世界各国で企業変革を支援してきた実績があります。一人の経営者では決してできない、数多くの経験を私たちは積んできました。とくに企業変革には、通常の経営とは根本的に異なるスキルセットや知識が求められます。
変革のためにコンサルタントの手を借りることは、決して悪い選択ではないと私は確信を持って申し上げられます。
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