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「米国の銀行家で最も嫌われていない人物」
かつて『ニューヨークタイムズ』紙は、ジェイミー・ダイモンを評して「米国の銀行家で最も嫌われていない人物」と述べた。JPモルガン・チェースの会長兼CEOというウォール街の重鎮にとって、これ以上の称号はあまりない。
ダイモンは12年以上にわたって、JPモルガン・チェースを率いてきた。62歳にして若々しいダイモンは、時に歯に衣着せぬ物言いをする。その点では、直截的な話しぶりで知られるニューヨーク州クイーンズ地区の出身者らしい(ただし、ハーバード・ビジネス・スクールでMBAを取得し、米銀最大手を率いる億万長者という点では、下町の風情が漂う同地区のイメージとはかけ離れている)。
JPモルガンほど、2008年の金融危機をうまく乗り切った銀行はあまりない。同行はおそらく、米国有力行で最も健全な財務内容を誇っていたが、他行と同様、政府から巨額の救済資金を受け入れざるをえなかった。経営悪化が深刻化している銀行だけをえり抜いて救済するような計画ではなかったからだ。ダイモンはいまでも、財務危機に瀕していた銀行と十把一絡げにされたことを苦々しく感じている。