アフリカ系米国人女性のキャリアパスを調査する
上位企業のCEOのリストを見ると、ダイバーシティの欠如は驚くばかりである。「フォーチュン500」企業の中で、女性のトップはわずか32人だ。アフリカ系米国人はどうかといえば、先頃ケネス・シュノールトがアメリカン・エキスプレスのCEOを退任したため、たった3人になった。女性のアフリカ系米国人となると皆無である。これはどうしたことか。
ハーバード・ビジネス・スクール(HBS)にアフリカ系米国人学生組合が結成されてから、この春(2018年)で50周年を迎える。これを記念して、筆者らは1908年のHBS設立以降、同校を卒業した約2300人のアフリカ系米国人のキャリアを調べた。この中から、1977年から2015年の間に卒業した532人のアフリカ系米国人女性を特定した。筆者らは、そのうち企業で会長、CEO、その他の経営幹部職、あるいはコンサルティングなどのプロフェッショナルサービス会社で、シニア・マネージングディレクターかパートナーの職に就いている、67人のキャリアパスを分析した。またこの67人のうち30人に、インデプス・インタビュー[注1]を実施した。
この女性たちはどのようにして逆境に打ち勝ったのだろうか。彼女たちは就職への準備怠りなく、競争力が極めて高いことは間違いない。筆者らのデータによると、彼女たちは同僚やアフリカ系以外の同級生よりも、名門校で長期にわたり高等教育を受けている。