現在のオムロン、かつての立石電機の創業者であり、その旺盛なベンチャー精神によって、50歳を過ぎてから、従業員数を「100倍」に、売上高を「1000倍」にした立石一真――。また事業の才覚のみならず、職能別会社やプロデューサー・システムなどの分権組織、資本金の4倍相当の投資規模を誇る中央研究所、重度障害者たちが働く「オムロン太陽電機」など、経営者としても優れた手腕とビジョンの持ち主であった。「世のなか“bad”と決めつけるのはたやすい。しかし“need improvement”(改善の余地あり)でなければ、創造の将来はない。『まず、やってみる』が、我々が築き上げてきた企業文化なのだ」「『できません』と云うな。どうすればできるか、工夫してみろ」と周囲のみならず、みずからを鼓舞したように、その生涯は勉強と挑戦の連続だった。今号より、この永遠の起業家の生涯を紹介していく。
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