アメリカはこれまで、世界中から優秀な人材を集め、数多のイノベーションや発明、ユニークな事業を、他の国に先駆けて生み出してきた。このような付加価値の高い人材は「クリエイティブ・クラス」と呼ばれるが、彼ら彼女らは、二一世紀を一つの境に、アメリカを見限り始めている。これはゆゆしき事態であるが、政財界は事の重要性と深刻さに気づいていない。クリエイティブ・クラスの流出を防ぎ、かつその育成を促すインフラづくりに着手しなければ、早晩競争力は衰退していくだろう。これは、けっして対岸の火事ではない。日本も同じような状況にある。