本稿は、アメリカの精神医学界の最高権威が、二〇〇一年同時テロの直後、人々の精神の危機へいかに対処すべきかをアドバイスするものである。世界的なテロの危険性はいまだ去ってはいない。ましてや、ストレスやそううつといった精神疾患は、古くて新しい企業課題である。「ストレスがたまるのはみんな一緒」「うつや心配性は精神的な弱さにすぎない」と軽視されることも多いが、組織の生産性について考えるリーダーならば、メンタル・ヘルスについて一考する必要があるだろう。