上場企業は、資本市場から毎年成長することが期待されている。そこで、イノベーションへのたゆまぬ努力が続けられているが、ほとんどの企業がこの期待に応えられずにいる。その決定的な理由は、イノベーション活動が「顧客不在」だからである。プロダクト・アウトからマーケット・インへと転換することは、古くて新しい課題でありながら、ほとんどの企業が実現できていない。世界各国の何百社ものマネジャーたちとの協働から生まれた「カスタマー・セントリック・イノベーション」という手法を導入することでカスタマーR&Dという、顧客第一主義のイノベーション体制が実現する。トゥミ、セブン‐イレブン・ジャパンやベスト・バイの例を引きながら、その導入方法と効果について解説する。