気候変動への対策はCFOの役割である

 もしあなたの会社のCFOが、気候変動への対応を任せられそうもないような人物であるならば、その職務が適任かどうかを考え直さなければならない。

 現在、スマートな組織ではサステナビリティ関連の責任を財務部門へと移し始めている。この変化にはいくつかの理由がある。

 第1に、基本的な財務計算がおおむね、CFOの管轄領域に該当することである。気候変動を緩和しそれに適応していくには、2030年まで経済全体で年間1兆ドル近くの投資を必要とする。また、地球温暖化の進み具合に応じ、今世紀末までに4.2兆~43兆ドルの取引可能な株式資産がリスクにさらされると予想される(大きなほうの数字は、温暖化が摂氏6度進行した場合である)。