有史以前から現代に至るまで、哲学、数学、経済学、心理学など、さまざまな学問の叡智を総動員し、優れた意思決定を下す方法が模索されてきた。いまでは、技術進歩や学術研究の高度化もあいまって、さまざまな意思決定手法が開発され、さらなる研究が続けられている。特にこの半世紀においては、人間の不完全性を前提とした研究がさかんになり、コンピュータよりも、人間の直感のほうが優れているという報告もある。経験主義から合理主義へ、そしてまた経験主義の再考へと、意思決定の科学はダイナミックな動きを見せている。