ビッグデータ分析基盤とセルフアナリティクスが両輪
――フロントラインワーカー、あるいは現場のビジネスユーザーのデータ活用力を向上させるには、具体的にどのようなデジタル装備が必要でしょうか。
谷中 クラウド・AI時代に対応したセルフサービス型データアナリティクスを実現するデジタル装備が、今後ますます重要になります。AIがどれだけ精緻な分析や予測したとしても、人間の洞察力は無視できません。誰もがAIを当たり前に使うようになれば、むしろ人間の洞察力が差異化の決定要因になります。
人間がより洞察力を発揮できるように、ビジネスユーザーが必要なデータを自分で簡単に引き出して、直感的に理解できるように素早くビジュアル化し、自ら分析できる。データの民主化を進めるためには、そうしたデジタルツールが非常に有効です。
あとは、セルフアナリティクスを実現する前提として、ビッグデータの分析基盤が整備されていることが重要です。組織がサイロ化されているために、データもサイロ化し、他部門とのデータ共有ができない企業が散見されます。
昨今では、あらゆるデータを一元的に蓄積・管理できるクラウド型のデータレイクやデータウェアハウスなど、新しい技術が普及しています。こうしたスケーラブル(拡張性が高い)なデータ分析基盤とセルフアナリティクスを組み合わせることで、データ活用環境は大きく進化します。
――NTTデータでは、AI・データの民主化を促進するクラウド型ビッグデータ分析基盤「Trusted Data Foundation」を提供しています。このプラットフォーム上で提供するソリューションの一つとして、ThoughtSpotを選んだのもそういう理由からでしょうか。
谷中 その通りです。AI・データの民主化を進めるための基盤であるTrusted Data Foundationにとって、ビジネスユーザーによるセルフアナリティクスを実現するソリューションは重要な要素です。
ソートスポットのデータ分析ソリューション「ThoughtSpot」は、普段使っている検索エンジンと同じように、自分が必要とするデータに関連する単語をキーボードで打ち込むだけで、膨大なデータの中から該当するデータを瞬時に呼び出し、集計して、ダッシュボードやグラフなどの形でビジュアルに表示してくれます。使い勝手のいいUI(ユーザーインターフェース)とスピードの速さは、優れている点だと評価しています。
それと、分析結果からインサイトを得やすいように、AIが異常値などを知らせてくれるのも大きな特徴です。