データ起点の人的資本経営こそ
日本企業が生き残る道
川内 日本ユニシスは先陣を切って改革を進め施策を打ってこられたわけですが、今後もっと強化したい点はありますか。
白井 データによる実効性の把握、相関関係の把握をさらに進めたいと考えています。ESG経営は全世界で推進されていますが、人の成長への投資と企業の持続的な成長がリンクし、実際にビジネスとして成立させている企業がどれほどあるでしょうか。どんなKPIが進捗するとビジネスがうまくいくのか、人的資本・資源とビジネスとの相関を実践で検証していきたいです。
業績とエンゲージメントには正の相関がありました。組織単位で測ったストレスとエンゲージメントは逆相関にあるのではないか、という仮説を検証中です。一般的にストレスは、仕事や残業過多などの社会的要因のみではなく、環境/身体/心理的要因や人間関係などさまざまな因子が複雑に関係し合って生じるものではありますが。
業務組織とは別に、社内外で社会課題を捉え「共感」を軸とするさまざまなコミュニティが存在します。コミュニティでの感謝や賞賛のやりとりを定量的に把握し、関係性分析・改善を考察する実証実験を進めています。コミュニティの原動力やソーシャルインパクトとエンゲージメントとの相関など、多様な人的資本・資源についても見ていきたいです。
川内 エンゲージメントを高めるために感情面の結びつきをどう構築するかがポイントということですね。
岩本 「経営は人なり」は漠然としていますが、いまおっしゃったような実質的な「人的資本経営」によって、実証されていくでしょう。
川内 ここまでお話しいただいたとおり、人的資本経営を実現するためには、ビジネス、データ、ナレッジをリンクさせることが重要で、そのツールとして当社はモチベーションクラウドを提供しています。国内最大級のデータベースを基に、偏差値や比較分析ができることや、20年以上の経験によるナレッジ提供が強みです。実際にお使いいただいてみた感触としてはいかがでしょうか。
白井 モチベーションクラウドで年に何度もデータを測り、さまざまな視点からスコアの変化を観察してきました。組織診断のツール、定点観測、変革の方向性に関する仮説の策定やその検証に有効です。担当者/管理者/経営層それぞれの立場でも活用でき、組織・人財の活性化、人を活かす経営のためのプラットフォームとして必要な存在です。
岩本 HRテクノロジーという言葉を15年に発信した後、リンクアンドモチベーションと話す機会があった際に、創業時からデータを使ってエンゲージメントの向上をやっている御社こそ、HRテクノロジーの先駆けじゃないかと言ったことを思い出しました(笑)。
川内 資源のない国である日本だからこそ、人的資本で勝っていく必要があると考えます。信念はありながらも苦労している企業に、これからもデータ活用によって実質的に変革していく力を提供し続けたいと思っています。ワクワクする組織を増やすために当社は、人的資本の分野におけるデータ活用をさらに進化させて参ります。
岩本先生、白井さん、本日はありがとうございました。

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