「白人男性」という特権
米国をはじめとする世界各国で、これまで触れてはいけないとされてきた問題について実質的な議論が交わされるようになってきた。「白人男性の特権」という問題だ。
「#MeToo」運動やブラック・ライブズ・マター運動、そしてコロナ禍で前景化した構造的な不平等によって、組織でパワーを持っている人々、すなわち公的機関であっても民間企業であってもリーダーシップで優位を占める白人男性は、組織を多様性があり、公平かつ包摂的なものにするには、自分たちも立ち上がらなければならないことを否応なく突き付けられた。
職場で蔓延するセクハラ犯罪や公権力による黒人への暴力行為の続発といった最近の事態を受けて、多くの企業が善き意図を発揮し、社会正義の実現に向けたコミットメントを語るプレスリリースや声明を発表している。