株式公開は有効か

 100年前から今日に至るまで企業形態の主流を成すのは、プロフェッショナルマネジャーが舵を取り、株式公開という形で所有権が広く分散された公開企業である。

 この形態は大恐慌を機に注目を集めて重要性を増した。なぜなら、リスクを伴うものの価値創造が期待できる活動に民間資金を効率的に回す手段だからであり、1960年代には企業株式の80%超を民間投資家が保有するようになっていた。この企業形態の恩恵により、経営幹部は長期的な成長性や収益性を重視でき、ひいては個人株主に利益をもたらすこともできた。

 ところがこの40年間というもの、公開企業という形態ははたして適切なのか、疑問の声が上がり続けている。懐疑派は「株式取引が以前と比べて格段に活発化した今日、この企業形態の下で経営者やマネジャーは、株式ベースの報酬に大きな関心を持つ一方で、アクティビスト・ヘッジファンドを恐れ、短期的な視点で経営を行う傾向を強めている」と主張する。