1987年、マイケル・ポーターは『エコノミスト』誌に「戦略には何らかの『分析手法』が好ましい」と寄せた。リソース・ベースト・ビューの第一人者であるJ.B.バーニーは「模倣困難な能力に集中せよ」と唱える。ミンツバーグは、これら戦略論のフレームワークに警鐘を鳴らす。なぜなら、「未来は現在の延長である」という前提に立っているからだ。それゆえに危険であり、事実、過信すると大失敗をしでかしかねない。本稿は10年前に発表されたものだが、線形思考がはびこるなか、いま一度、戦略家の心得として読まれることをお勧めしたい。