人々はかつて、こう信じていた。職場で成功するうえで、幸福感はいらない。同僚を好きになる必要もなく、彼らと価値観を共有することさえ不要である、と。「仕事と私事は違う」と考えられていたわけだ。これはナンセンスである。
多数の企業と人々を対象としてきた筆者の研究、そしてリチャード・デイビッドソンやV. S. ラマチャンドランなどの神経科学者、およびショーン・エイカーなどの学者による研究は、ある単純な事実をますます浮き彫りにしている。それは、幸福な人ほど有能な働き手であるということだ。仕事と同僚に対してエンゲージメント(意欲や愛着、一体感など)を持っている人は、より懸命に、そしてより賢明に働くのである。
にもかかわらず、職場へのエンゲージメントを持っていない人の数は、憂慮すべきほど多い。