文章を書く時には専門用語は避けるべきだとよくいわれるが、シンプルでわかりやすい言葉で十分な場合でも、非常に専門的な言葉や表現が何度も使われる。この落とし穴に特に陥りやすいのが、自分のステータスが低いと思っている人である。ステータスの低さを補おうと気取った言葉を使ってしまうことが、新たな研究で示された。

 研究者らはまず、2016年と2017年に米国の大学に提出された博士論文と修士論文、6万4956本のタイトルを分析した。『USニューズ・アンド・ワールド・リポート』の年間大学ランキングをもとに、筆者の大学のステータスを高いか低いかに分類し、一般的な読みやすさの指標を用いて、タイトルに使用されている専門用語を測定した。

 すると、ステータスの低い大学の筆者は、高い大学の筆者よりも、複雑な言葉の専門用語を多用していた。また、専門用語の別の形である頭字語[注]も含む傾向が高かった。