破産申請は歴史的に経済状況を反映し、好況期には減り、不況期には増える。しかし、新型コロナウイルスのパンデミック下では、いまのところ様相が異なっている。
研究チームは、2020年1月1日?8月31日の間に米国で提出された全破産申請と、前年同期の申請の情報を収集。それによると、全体の破産件数は前年から27%減少していた。大企業による連邦破産法第11条の適用申請は200%近く増加したが、それを相殺するほどに個人事業主や中小企業の申請件数が減っている。意外にも、失業率が特に高い州での減少が顕著だった。
破産件数の減少は一見好ましいことのように思えるだろうし、実際にそういう場合もある。「コロナウイルス支援・救済・経済安全保障法」(CARES法)によって一時的に失業給付が増え、景気刺激策として給付金も支給されたため、失業前より収入が増えた人も多く、この支援策のおかげで維持できた家庭や中小企業もあるだろう。