西尾:コロナ禍によってオンライン研修が一般化してからは、ウェブ会議システムを使って7~8時間連続で研修を行うようなケースもありました。

 そんなに長時間、集中力を切らすことなく研修を受け続けることは不可能だと思うのですが、「ただ教えればいい」という意識が強く、効果は二の次にされているようです。

 当社のラーニングプラットフォームは、双方向コミュニケーションの仕組みによって一方的な教育の弊害をなくしているだけでなく、1動画コンテンツ当たりの再生時間は3~5分程度と短く、アンケートやディスカッション、クイズといった豊富なセッションを用意するなど、受講者を飽きさせず、学習に集中できる仕組みを整えています。

 これらの仕組みは、すべて教育学の理論に基づいて設計されており、「人材のパフォーマンス向上」という目標を達成できるサービスとなっているのが特徴です。

ナレッジの共有によって会社全体の成長を促す

松尾:ユームテクノロジーのラーニングプラットフォームについて、特に興味深く感じたのは、動画を共有できる機能ですね。先ほど説明があったように学習者のロールプレイングの動画を共有して、上司やほかの社員がアドバイスするという使い方も有効だと思いますし、学習者が自分自身で振り返りをするのにも役立つと思います。

西尾:当社のラーニングプラットフォームには、AIを使って動画の内容を評価する機能も搭載されています。

 たとえば、学習者が営業トークを録画すると、その表情や言葉遣い、トークの内容などをAIが自動判定してフィードバックしてくれるといった仕組みです。AIによる判定と、それに基づく修正を何度も繰り返すことで、少しずつ営業トークに磨きがかかります。

 先ほど、松尾先生から経験学習サイクルのお話がありましたが、当社のラーニングプラットフォームも、「学習」「実践」「修正」というサイクルを回すことで、実践に役立つ力が確実に身につくように設計されているのです。

松尾:AIが自動判定してくれるというのは、面白い機能だと思います。本来であれば、上司や先輩などがアドバイスをするのが望ましいと思いますが、人それぞれの見方があるので、評価の偏りや見落としがないとは限りません。それを補ってくれる役割が期待できるのではないでしょうか。

 どのようなデータや機械学習に基づいて評価を行うかにもよりますが、AIを人材教育に活用することには、それなりの可能性があると思っています。

西尾:ラーニングプラットフォームの活用方法について、何かお気づきの点はありますか。

松尾:個人が課題に対して挑戦したことの振り返りや、進捗の確認などに利用するのが有効だと考えます。

 先ほども申し上げた通り、ロールプレイングの動画などを上司や先輩と共有すれば、気づきにつながる有益なアドバイスが受けられるからです。

 短い動画であれば、上司や先輩もちょっとしたすき間時間を使って見ることができます。動画などを共有できれば、個人ごとの挑戦や、その挑戦を促して成功させた部署・チームのベストプラクティスを広く社内に公開することもできるのではないでしょうか。

西尾:ありがとうございます。冒頭、松尾先生から、経験学習では直接経験の影響が70%を占めるというお話がありましたが、当社は今後、直接経験の学習効果を高めるソリューションも開発していきたいと考えています。

●問い合わせ先
ユームテクノロジージャパン株式会社
〒106-0032 東京都港区六本木7-8-6 AXALL ROPPONGI
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