ハーバード・ビジネススクールでは、総売上高1000億円以上の企業の新任CEO向けに少数精鋭のワークショップを開催している。筆者たちはそのファシリエーターを務めたことで、新任CEOには、彼ら自身の想像とも大きく異なる7つの「意表を突く事実」の存在を発見した。たとえば、CEOは組織最大の権力を有しているはずとはいえ新任CEOの場合、「最も役に立たない執行役員」でしかない。これ以外にも、実際にその立場になってみないとわからないことが多数あり、だれもが戸惑う。これは、リーダーシップを育成するうえで興味深い。組織のなかで最も優秀な人材から選ばれた人物でも、軽重に違いはあるとはいえ、その仕事や責任が変われば困惑し、虚心坦懐に学び直す必要があることにほかならない。