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対人関係力に優れた人材とは
「対人関係力」に優れた人とは、いかなるタイプの人材だろうか。多くのリーダーたちが、そんなことは言われるまでもなく承知しているとうそぶく。いわく「チーム・プレーヤーであり、同僚の私生活にも目を配り、人間関係を円滑に処理できる人たちで、主に人事部や営業部門に数多く見られる」。以上のようなことがリーダーたちの考える対人関係力の高い人材である。
しかし実際の定義は、これほど単純ではない。対人関係力は、人事や営業だけでなく、ほぼすべてのビジネスマンに求められる。この能力には、一般に考えられている以上に、はるかにさまざまな特性が含まれている。
このほど我々は、業務上の人間的側面、つまり「人間関係要因」について広範な調査を実施した。これまで18年以上にわたり、社内の専門職の人々が心の奥底に抱いている人生上の関心事を、いかにその職務と深く関連させていくのかについて研究してきた。
その結果、ある人が優れた業績を成し遂げるのは、その仕事がその人の根底的な関心事とぴったりと一致した時であることがわかっている。
つまり、リーダーは社員たちの対人関係面における関心やスキルを正しく考慮したうえで、人材配置、プロジェクト・メンバーへの起用、キャリア開発に当たることで生産性を高められるといえる。
延べ7000人以上の社内専門職を対象に、数々の心理テストを実施し、これらを分析したところ、対人関係力に優れた人とはどのような人材なのか、従来の限定的な概念を大きく覆す結果が得られた。
統計分析の一手法である因子分析にかけたところ、対人関係力は「影響力」「人間関係の円滑化」「対人関係における創造性」「チーム・リーダーシップ」の4つの側面から理解できることがわかった。
本稿では、これら4つの要素について説明すると同時に、マネジャーがこれらすべてを把握しておくことの有用性について示す。事実、適材を採用し、適所に配置し、その実績に報い、(他者および自分の)キャリア開発を促すうえで大いに役に立つ。