求められているのは
新たな時代をつくる壮大な変革

──長期的価値創出は経営者にとって長く、険しい道のりですね。

牛島 だからこそ、経営の羅針盤となるパーパスを従業員や顧客を含むステークホルダーと共有し、ぶれることなく戦略を実行していくパーパスドリブンな経営が求められているのです。

 私たちEYもグローバルで「Building a better working world」(より良い社会の構築を目指して)というパーパスの下に、クライアントとともに事業活動を通じたよりよい世界の実現を目指してきました。

 たとえば、私がリーダーを務める気候変動・サステナビリティサービス(CCaSS)には20年以上の歴史があり、グローバルで約2300人が所属しています。この経験と実績のある豊富なリソースからベストなチームを編成して、クライアントの長期的価値創出を包括的に支援することが可能です。

 長期的価値創出はたしかに息の長い取り組みであり、特に天然資源が乏しく少子高齢化が深刻な我が国は、社会的課題が山積しています。しかしこれを逆にチャンスととらえ、日本を実験場にグローバルな知見を集めてこうした社会課題を解決し、新たなソリューションを日本から海外に展開することができれば、持続的な成長の可能性が大きく高まります。

尾山 冒頭にも申し上げましたが、経営戦略にサステナビリティを織り込むということは、単なる制度対応ではなく、気候変動という一つのアジェンダに取り組めば終わりというものでもありません。ですから、包括的な変革アプローチを取る必要があるのですが、それによって牛島が申し上げた通り、新たなビジネス機会を獲得することにつながるのです。

 国際エネルギー機関(IEA)の世界エネルギー見通しでは、パリ協定の目標達成に向けて2040年までに約59兆ドル(約7300兆円)以上の投資が必要と試算しています。それだけの巨大な市場と資金需要が生まれる可能性がある中で、どう勝ち残っていくのか。それをいま、企業は問われているのです。

 さまざまなステークホルダーから企業が求められているのは、持続可能な新たな社会・経済システムを構築し、そこに経営を適合させていくという壮大な変革です。

 それはまさに、新しい時代を切り拓くためのチェンジリーダーになるということでもあります。私たちEYは、その支援者であると同時に、新たな時代をともに築き上げる同志でもありたいと、強く願っています。

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