古くからある「ストーリーテリング」という手法は、聞き手に自問自答を促し、行動を起こさせるきっかけを与える。ただし、子細に言及し、臨場感あふれる物語が有効とは限らない。むしろ聞き手がマネジャーやビジネスマンの場合には、ディテールを最小限にとどめたシンプルな物語のほうが奏功する。また、常に前向きな物語が望ましいわけではなく、状況に応じて、後ろ向きの物語を利用したり、組み合わせたりすべきだ。ビジネスの世界でも、ストーリーテリングはきわめて有効であり、事実の分析や論理的なプロセスが最善とはいえないのだ。