意欲のある下級管理職は、もっと大きな権限を得るための昇進を願っている。上に立てば必要な変化を起こすことができ、成果を上げられると考えているからだ。他方、上級管理職は、現に持っている権限の小ささに不満を感じ、もっと大きな力がほしいと思っていることが多い。
そう考えている限り、彼らの悩みが解消されることはない。問題は、地位に伴う権限は、行動を強制することはできても、信念を鼓舞することはできないということである。権限があれば、部下にあなたが望む仕事をさせることはできるが、それだけでは足りない。部下には、あなたが望むことを望んでもらわなくてはならない。それができなければ、どんな変革も短命に終わる。
