取締役会の多様性は業績を上げるのか

 取締役会の多様性は、企業リーダーや公共政策の課題として重視されている、喫緊の優先事項だ。

 たとえば、米証券取引委員会(SEC)は2021年、ナスダック市場の大部分の上場企業に対し、マイノリティや女性、LGBTQ+など、過小評価グループから少なくとも2人の取締役を登用するか、登用しない場合にはその理由を説明することを義務付ける規則を承認した。

 こうした取り組みが称賛に値するのは、公平性のためだけではない。集団の異質性は意思決定の質を高めるという研究結果もある。しかし、取締役会の多様性が高いと企業の成果が上がることを示す説得力のある証拠はほとんどない。新たな研究が、その理由を探り、その助けとなりそうな条件を示している。