フェイクニュースが蔓延(はびこ)っている。この蔓延との影響について議論される際にしばしば中心になるのが、確証バイアスだ。自分の信念に合致するものを信じ、共有する傾向のことである。新しい研究によれば、私たちは特定の情報源を信用する素地がない状態でも、真実の見極めに長けておらず、自分の洞察力を過大評価していることがわかった。
3つの実験で、研究者は被験者に2本の短い動画を撮ってもらった。1本では実際のニュースの出来事を被験者が説明しており、もう1本は出来事を被験者がでっち上げたものだ。被験者は、どちらかの動画で説明されている出来事は真実だと視聴者が考えれば、金銭的な報酬を与えると告げられた。視聴者側には、正解した場合と、自分の正確さを正しく判断できた場合に報酬が支払われた。
すべての実験で、視聴者の真偽を見分ける能力は50%を上回る程度だった。硬貨を投げて判断しても、平均してほぼ同程度の正解率になる。視聴者は、偽の動画を信じる場合もあれば、本物の動画を疑う場合もあった。そして、成績が振るわなかったにもかかわらず、男性の65%以上、女性の61%以上が、実際よりもよい成績を収めたと思い込んでいた。