チャットボットはカスタマーサービスにおいてますます一般的になっており、多くの企業はチャットボットに名前やアバター、さらには趣味や関心事を記載した経歴を与えて「人間的」にしようとしている。

 しかし、このような擬人化は逆効果になることがある。研究者らは5つの研究から、サービス対応に不満を持つ顧客の怒りは、ボットが人間らしいと感じれば感じるほど高まることを明らかにした。

 最初の研究では、世界的な通信会社の顧客とチャットボットのセッション3万4639件を分析。自然言語処理により、顧客の怒りの度合いと、ボットの名前を使用した回数(ボットがどれだけ人間らしいと認識しているかを示す代理指標)を測定した。セッション終了後の調査で、顧客が少しでも怒っている時、ボットが擬人化されていると感じるとセッションに対する満足度を低下させることがわかった。顧客の怒りも擬人化も、どちらかだけでは満足度への大きな影響はなかった。