地方紙が少ない地域ほど、その地域の選出議員による汚職が増えるという研究結果がある。デジタル競争により新聞は依然として苦戦しているが、研究チームは、地元メディアの閉業が別の種類の不正行為である、企業犯罪に及ぼす影響を調査した。
研究者らは、44の連邦規制機関から違反行為と罰則に関する情報を記録している「バイオレーショントラッカー」を使い、2000~2017年の米国企業の不正行為のデータを収集した。その結果、上場企業1383社による違反2万6450件が見つかった。そして、2003~2014年に閉業した地方紙33社を特定した。
各新聞社が閉業した前後3年間の地域の違反行為と罰金を比較すると、新聞社がなくなると違反行為(不正会計、過大請求、危険な職場、差別など)は平均して1.1%増加した。違反の重大性も増し、罰則も15%跳ね上がった。さらに、合法であっても報告義務のある有害物質排出量は20%近く急増した。地域経済や不正の環境などの変数を考慮しても、結果は変わらなかった。