不確実性と可能性は表裏一体
人間は未知なるものを恐れるようにできている。世界経済危機や健康危機、地政学的危機といったマクロレベルの不確実性であれ、「あの仕事に就けるだろうか」「このベンチャーは成功するだろうか」「自分は正しいキャリアパスを歩んでいるだろうか」といったミクロレベルの不確実性であれ、私たちがそれらに神経をすり減らし、疲弊し、衰弱しさえするのはそのためだ。
だが、そのような本能的反応に従っていると、ある重要な事実を見逃すことになる。それは、不確実性と可能性は表裏一体であるという事実だ。
自分が最も誇りに思う業績、人生が大きく変わった瞬間、生きがいとなる人間関係について考えてみよう。それらはいずれも、不確実な時期を過ごした後に手にしたものではないか。おそらくはストレスを感じながらも、何か大きなことを成し遂げるために突き進んだ後に獲得したものではないだろうか。