会社の存在意義を明確にする必要性を学ぶ
編集部(以下色文字):新浪さんは三菱商事在籍時、ハーバード・ビジネス・スクール(HBS)に留学し、MBAを取得されました。その後、ソデックスコーポレーション(現LEOC)、ローソン、サントリーホールディングスの社長として組織を率いる中で、HBSでの学びがどのように活かされたと思いますか。
新浪(以下略):私はHBSで経営の本質を学び、洗練された講義やケースメソッドを通じて、頭の筋肉を柔らかくしながら鍛えることができました。それはウサギ跳びのようにつらいだけで効果のないトレーニングではなく、近代的な方法論に基づく頭の体操です。現実のビジネスに近い状況に置かれ、意思決定に悩むことに慣れていき、頭を切り替える方法も学ぶことができました。
この数年間を振り返って最もよかったと思うのは、企業にとって文化がどれほど重要か学べたことです。ここでいう文化とは企業の存在意義であり、現在ではパーパスと呼ばれているものに近い。会社は何のためにあるのか。お客様や社会に何を提供していきたいのか。それらを明確にする必要性に気づかされました。