多くのリーダー、特に自意識の強いリーダーはたいてい部下の言葉や行動に翻弄されているものだ。この事実を正しく認識しているリーダーは意外に少ない。そして、歴史を振り返れば、いかに優れたリーダーでも、お世辞や多数派の意見に惑わされたり、おだてられたりして迷走してしまった例が少なからず存在する。本稿では、組織心理学的アプローチから、このような過ちを分析し、それを防ぐ方法を考える。たとえば部下からの影響を抑えるために「批判に耳を傾ける」「判断基準を組織の価値観に置く」「策略家の部下に用心する」などの対処法が挙げられている。