日本のヤマザキ マザック(旧・山崎鉄工所)が、1800万ドルをかけてフレキシブル・マニュファクチャリング・システムを導入したとき、その成果はまことに驚くべきものであった。機械台数は68台から18台に、従業員は215人から12人に、生産に必要なスペースは10万3000平方フイートから3万平方フイートに、そして平均生産時間は35日から1.5日に、それぞれ削減されたのである[参考文献1]

 しかし、2年後、節約された金額は総額でわずか690万ドルにしかならなかった。そのうちの390万ドルは、一時的な在庫の削減によってもたらされたものである。

 このフレキシブル・マニュファクチャリング・システムが、20年間にわたって年間150万ドルの労働の節約を生み出し続けるとしても、それによる投資収益率は年間10%以下であろう。米国企業の多くは、15%以上を達成基準の収益率としており、投資回収期間も5年以下に設定している。