自社のコストシステムが今日の熾烈な競争には不向きだと気づいている会社はたくさんある。コストシステムは主として財務報告書や納税申告書の在庫評価向きに作られていて、マネジャーは操業効率向上やコスト把握に必要な情報を正確にしかもタイムリーには得ていない。

 この対策として現行システムの計画見直しが試みられてきたが、結果は満足すべきものではなかった。

 □ ある化学会社のシステムは製品の総原価の見積りにはおおいに成果をあげたが、原価管理には利用できなかった。それぞれの生産工程ごとにコストを集計するようになっているが、原価差異は工程が進むにつれ累積され吸収されてしまう。このシステムはすべての製品の実際原価を捉えてはいるが、製造マネジャーのコスト低減努力をもりたてたり、評価したりするのに役立つ情報は、まったく提供していない。