コーチとして採用するのは、大企業やコンサルティングファームに勤め、経営に関わる仕事をしてきた優秀な人材だ。「大企業の組織変革や成長に貢献したい」といった強い思いを持ってコーチングの世界に入ってくる人材を採用し、コーチとして一から育成する。採用したエグゼクティブコーチには一人ひとりに米国人のコーチを付ける。一流コーチによる卓越したコーチングを実際に体験し、コーチとしてのあり方や技術を磨き続けることが目的だ。
コーチングの価値を実証するため、リサーチ部門として「コーチング研究所」も設立。コーチングの効果検証やアセスメント開発など科学的な視点からのアプローチにも取り組む。リーダーシップやコミュニケーションなどに関する新しい知見を発表することでも業界を牽引している。
サイロ化をブレイクしV字回復を果たした企業
経営環境の急激な変化にさらされる中で組織を開発する際に、次の5つが必要だと鈴木氏は言う。(1)経営チーム内で「対話」を起こすこと(課題解決能力の向上)、(2)対話を通じた次世代経営者や経営リーダーの育成、(3)サイロ化の解消、(4)ジェネレーターの発掘・育成、(5)経営者からの情報発信──である。

代表取締役 社長執行役員
鈴木義幸氏
YOSHIYUKI SUZUKI
たとえば、ある大手企業は業績低迷を機に、CEOと経営チームが同社のエグゼクティブコーチングを受けた。
「業績低迷の要因は、ずばり、サイロ化の放置でした。そこで、エグゼクティブコーチングを導入し、経営チームが『対話』によるコミュニケーションを十分に取ることで、現場のコミュニケーションも活発化させることを目指しました。この相関関係が非常に強いことは、コーチング研究所のリサーチでも実証されています。経営チームから明確なビジョンや方針が発信されるようになれば、部門間の業務連携や他部門への提案、チャレンジングな活動が増加し、それが好循環で回り出します。結果的に、V字回復できました」
エグゼクティブコーチングの下、経営チームが毎月行ったのは「お互いをよく知ることと、経営チームのコミュニケーションが本当にしっかりできているのかを話し合うメタ・コミュニケーションの徹底、そして、パーパスについて十分に対話すること」。導入企業のトップからは、「私自身が他の経営陣に耳を傾けられるようになったことで、役員会が変化した。各役員がテリトリーを守る場から全社で物事を議論できる場になった」との声が届く。
組織の中で日々起きているコミュニケーションの質が変わることなくして、組織変革は起こり得ない。「対話」を通して組織を変革し、イノベーションを加速する企業文化を創り出す──。
近い将来、そのノウハウを“コーチング本家”の米国でも本格展開する予定で、着々と準備を進めている。
株式会社コーチ・エィ
〒102-0074 東京都千代田区九段南2-1-30 イタリア文化会館ビル
URL:https://www.coacha.com/