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相手がどんな人でも、長く一緒に仕事をしていれば、意見の相違や感情的な行き違いが生じることは避けられない。ほとんどの場合は友好的に解決できるが、うまくいかないこともある。よほどの賢人か聖人なら別だが、誰でも一度や二度、何を議論していたのかも忘れるほど感情的になってしまったことがあるのではないだろうか。
会話が制御不能に陥ってしまったら、どうすればいいのだろう。こちらは我慢して相手の言い分を聞いているのに、相手がてこでも自分の考えを変えようとしない時は、どうすればいいのだろう。議論を本来の道筋に戻すには、どうすればいいのだろう。
医師のアンソニー・サッチマンは、その答えを探すことにキャリアのかなりの部分を捧げてきた。学識豊かで人間的にも魅力的な彼は、30年以上にわたって人間関係のダイナミクスを研究し、その結果を世界有数の医学雑誌で何度か発表している[注]。