同族経営の企業では、娘がトップの座に任命される可能性は息子よりも低い。それは古くからある社会規範が理由と考えられるが、その伝統を継承することには代償が伴う。
研究者らは、2004~2017年のスウェーデンの同族企業における事業継承360件を分析し、少なくとも娘一人と息子一人がいる家族で、最終的に子どもをCEOに選出した企業を含むようにサンプルを構成した。
娘がCEOに就任する確率は息子よりも75%低く、就任までの期間も平均して2倍近かった。例外だったのは女性CEOの娘で、選ばれる確率は兄弟と同じか、わずかに高かった。また、娘がCEOに就任した企業は、翌年の産業調整済みROA(総資産利益率)が、息子が継いだ企業のそれよりも平均して2.3倍高かった。