深刻化する最前線の人材不足
2021年の夏以降、企業はあらゆる努力を傾けて最前線の人材を職場に呼び戻そうとしたが、再雇用はままならず、パンデミック以前と同様の通常操業の再開は、なかなかかなわずにいる。この結果、製品やサービスを提供できず、売上げを失い、顧客を失望させてきた。
サプライチェーンは混乱から抜け出しておらず、物流施設や配送部門は著しい人員不足に見舞われている。食品雑貨店やドラッグストアは十分な品揃えをできずにいる。レストランは料理人、皿洗い、ウェイターの不足に悩まされている。ホテルチェーンは客室係の人数を揃えられないせいで、全室分の予約を取れずにいる。航空会社は数百便もの運航停止を余儀なくされている。
2021年に企業は、自社が陥っている人材不足は一過性であると思い込み、時給をスズメの涙ほど上げる、契約時や紹介時にボーナスを支給する、柔軟なシフト勤務を認める、といった定番の暫定措置を取った。だが、どれ一つとして目覚ましい成果を上げなかった。