短期の収益と長期の価値の
バランスをいかに取るべきか

 パフォーマンスマーケティングは過去20年の間で、企業が顧客とつながるために活用するアプローチの主流となった。パフォーマンスマーケティング協会(PMA)の定義によると、パフォーマンスマーケティングとは、ダイレクトメール発送業者、検索エンジン、ソーシャルメディアサイトなどのサードパーティチャネル経由で実施されたマーケティングキャンペーンの結果(例:売上高、リード獲得数、クリック数)に応じて、料金を支払う手法のことである。

 このアプローチが非常に魅力的な理由は、容易に理解できる。企業は高度なターゲットマーケティングキャンペーンを実施してROI(投資収益率)を測定できるようになり、1世紀続いたワナメーカー問題(百貨店王のジョン・ワナメーカーが広告について、「私が投じた資金の半分は無駄になっている。問題は、どちらの半分かわからないことだ」と述べたとされる問題)を解決に導くからだ。

 しかし、多くの経営幹部は、パフォーマンスマーケティングが自社ブランドへの顧客の認知(アウェアネス)、態度(アティテュード)、親近感(アフィニティ)の向上を目的とするブランド構築活動──斬新なパッケージング、新製品、特徴あるサービス、革新的な流通、クリエイティブな広告など──を妨げるのではないかと不安を感じている。