1920年代初頭から50年代半ばまで、ゼネラルモーターズ(GM)のトップの地位にあったアルフレッド P.スローン。経営者としての手腕もさることながら、事業部制など、彼の組織設計もよく知られている。彼がGMでの経営を振り返り、六四年にアメリカで著したのが『GMとともに』である。同書は瞬く間にベストセラーとなり、大きなインパクトを与えた。同書の翻訳は現在、日本では絶版となっているが、マネジメントに与えた多大な影響を考え、新たな訳で本誌で紹介することにした。連載第1回の今回は、90年のペーパーバック版に寄せたドラッカーの序文を紹介し、同書の意義を改めて考えてみたい。