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【HBR CASE STUDY】
[コメンテーター]
ウォレン C. グレー(Warren C. Gray)元テーラー・インスツルメント 東南地域担当業務マネジャー
アルバート V. ウィレット(Albert V. Willett)元E. I. デュポン・ド・ネムール 部長
ビリー J. ロリンズ(Billy J. Rollins)元イバン・アレン 営業担当バイス・プレジデント
[ケース・ライター]
アルバート H. ダン3世(Albert H. Dunn III)デラウェア大学 名誉教授
*HBRケース・スタディは、マネジメントにおけるジレンマを提示し、専門家たちによる具体的な解決策を紹介します。ストーリーはフィクションであり、登場する人物や企業の名称は架空のものです。経営者になったつもりで、読み進んでみてください。
カスコ・ドラッグのキャリアパス
ジム・リーは1975年6月、大学を卒業した。専攻は経営学である。その年の9月、カスコ・ドラッグ(以下カスコ)に営業として入社し、サル・ルッチが担当する地区に研修生として配属された(図「カスコ・ドラッグの営業体制」を参照)。
サルは、カスコのエクセター地区担当の営業部長で、11人のメディカル・レップ(以下MR)を部下に従え、ニュージャージー州全体、デラウェア州の一部、ペンシルバニア州のランカスターあたりまで引き受けている。この地区は同社のドル箱でもあった。
ジム・リーは、他の300人いるMR同様、さまざまな処方薬や特許薬を、医師や病院をはじめ、小売店、卸、ドラッグストア・チェーンなどに紹介する仕事に従事した。たとえば、医師を訪問して、新薬を紹介すると同時に、既存商品についても触れながらカスコ商品を処方箋に入れてもらうよう努力する。小売店、問屋、ドラッグストア・チェーンに赴いた際には、在庫を調べ、新商品を見せ、特に販促対象の薬品を売り込む。