昨日は彼方の愁いなれども
  今や吾がもとに在り
  嗚呼 昨日を懐かしむ

 これは過去を偲(しの)んだ唄の一節である。作者は、ご存じポール・マッカートニー。曲名は、ずばり『イエスタディ(昨日)』だ。しかし、未来を志向するならば、もっともっと楽観的なほうがよい。

 暗いご時世だからといって、将来のビジョンもなく、暗く落ち込んでいるヒマはない。組織においても、個人の場合と同じく、利益の高い健全な組織行動を続けていこうとすれば、未来志向が欠かせない。

 そのためには、まず、楽観的な未来予想を持つことだ。そもそもなんの根拠もなくてもいい。「わが社の将来は明るい」とか「ずっと社運がいい」と、トップが言い続けること。

 ポジティブ心理学の教訓を受ければ、明るい未来を口にするだけで、お金もかからず、気持ちも前向きになれる。ただ言い続けるだけで、明るい未来が独りでにやってくることがある。予言には自己成就するメカニズムがあるのだ。