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リーダー層に求められる資質
過去20年間で、企業を取り巻く環境は一段と複雑さを増してきた。その中でCEOは、Cスイートに適切な人材を揃えるというプレッシャーにさらされている。単に有能なリーダーの寄せ集めではなく、方向性が揃い、協働できる強力なトップチームを築けるかどうかが、その後のすべての土台となるのだ。こうしたトップのポジションを目指す人にとっては、求められる水準はかつてなく高くなっている。
筆者らは毎年、S&P500企業のCスイートにおける9つの代表的な職務のリーダー職について、プロフィール、在任期間、キャリアの経歴をマッピングし、その変化を追跡している。対象の役職は、CEO、COO、CFO、CMO、CHRO、CLO(最高法務責任者)、CSCO(最高サプライチェーン責任者)、CIO、CCO(最高コミュニケーション責任者)の9つだ。データは、2025年6月30日時点でこれらの役職に就いていた人物を対象とし、暫定的に任用された者は除外している。なお、2025年以前は、フォーチュン500におけるCスイートのリーダーを対象に分析を行っていた。
調査結果
筆者らの分析から得られた知見のうち、Cスイートのリーダーを目指す人に特に有用な5つのポイントを紹介したい。
1. Cスイートへの最も典型的な道は社内昇進である
S&P500企業のCスイートリーダーのほぼ60%は、社内から昇進した人材だ。役職によっては、その比率が80%に達するものもある。社内登用の比率は2020年以降では一貫して上昇しており、当時はCスイートリーダーの55%が社内から選ばれていた。最も社内出身者が多い役職はCEOとCOOで、CFOとCMOが続く。社内昇進でCスイートに就いたリーダーは、勤続年数も平均16年と長い傾向にある。
2. 他社で同じ役職に就いた経験があると、外部からCスイートの役職に採用される可能性が高い
企業がCスイートの人材を社外に求める場合、経験が重視される傾向がある。外部から採用されたCスイートリーダーの57%は、他社(上場・非上場を問わず)で同じ役職を務めた経験を持っていた。役職によってはこの割合はさらに高く、CLOは71%、CFOは75%が同じ役割の経験者だ。社内昇進と社外採用を合わせても、Cスイートリーダーのおよそ3分の1は同じ役職を務めた経験を持つ。この比率は、過去5年間ほぼ横ばいで推移している。
外部採用においては、業界経験よりもその役職の経験が重視される傾向が見られるが、その度合いは役職によって大きく異なる。社外から採用されたCOOの93%、CEOの83%は同一業界から来ている一方で、CHROの約60%、CIOの過半数は異なる業界セクターから起用されている。
3. CEOの交代はCスイートに新たな機会を生む
今回の調査対象となったCスイートの中で、在任期間が最も長いのはCEOで、平均在任期間は7.8年だった。その他の役職の多くは在任期間が4~5年であることを踏まえると、CEOは任期中のいずれかの時点で、主要な職務のリーダーを入れ替える可能性が高いといえる。そうした交代の多くはCEOの就任後1年以内に起こる。新任CEOの最初の1年間で、少なくとも5人に1人のCFO、CHRO、CMOが入れ替わる。4年以内には、ほとんどのCEOが新たなCFOを任命している。同じ期間中に、CLOの3分の1超、CTOの42%、CSCOの39%も交代している。近年、CEOの在任期間は短期化しており、それに伴ってCスイート全体の入れ替えも今後さらに増える可能性が高い。
4. Cスイートの中でも役職によって機会の多さは異なる
シニアリーダーシップチームの構成は企業によって大きく異なり、すべての企業が本研究の対象である9つの役職すべてを置いているわけではない。実際、筆者らのS&P500企業の分析では、CEOは503人(一部の企業は共同CEOを置いている)いた一方で、CSCOは334人に留まった。S&P500企業のほぼすべてがCFOとCHRO、約80%ではCCOを置いている。
一方で、ここ数年CMO職の割合は低下傾向にあり、現在では約70%の企業しかCMOを置いていない。これは、企業が全社的なマーケティング統括から、地域別あるいは事業単位別のモデルへとシフトしたり、営業・マーケティング、ブランディング、カスタマーエクスペリエンスといった職務を統合し、より広義の「コマーシャル責任者」あるいは「レベニュー責任者」のような役割にまとめていることが背景にある。







