個々にカスタマイズした
カリキュラムを提供
「ALUGO」でもう一つ重要なポイントは、「英語に関する弱点は人によってかなり違う」という点に着目し、独自のアセスメント(査定基準)を設けている点です。レッスンに入る前に、必ずこのアセスメントを受けていただきます。
単純に語彙量が少ない人もいれば、文法に弱い人、論理の組み立てやコミュニケーション時のポジティブな関係構築が苦手な人もいますから、最初の段階でどこが強くてどこが弱いかをクリアにします。そのプロセスを経ることで、一人ひとりの学習者向けにカスタマイズしたカリキュラムを組むことができるのです。
とはいえ外国語学習ですから、トレーニングの「絶対量」は必要です。「ALUGO」のアセスメントを受けていただくと、13項目の指標別にA~Eの評価が出るのですが、ある指標の評価を一つ上げるのに、平均で10時間程度かかることがわかっています。
語学力を身に付けけるためには「継続」も大切です。一時期に集中して勉強しても、時間があいてしまうと元に戻ってしまいます。モバイルを使う理由は、忙しいビジネスパーソンが仕事の合間などでも、いつでも気軽にレッスンを受けられるようにしたいと思ったからなのです。
「ALUGO」の受講者は、どれくらい英語が話せるようになりますか。
かなり集中して取り組まれた方の例ですが、最初はなんとか一文を作れる程度で会話がまったく成り立たなかったのに、たった3カ月で基本的なキャッチボールがこなせるレベルにまで上達したケースもありました。もう少しで商談にも対応できる会話力です。
実はこのサービスを考えるきっかになったのは、私自身の原体験です。実は私も大学まで英語を勉強していましたし、卒業前後には語学学校にまで通ったのですが、話せるようになれなくて(笑)。ところがある時、3カ月先にアメリカに行って提携先と交渉しなければならなくなる、という事態が発生しました。
そこでどうするかを考えました。まず目指す英語のレベルを低くして、ビジネスの目的が達成できる最低ラインがどこなのかを考え、いくつかの方法を思いつきで試してみたところ、なんとかうまくいったのです。一度でもそういう成功体験があると、不思議なことにその後ぎこちなくても話せてしまうことに気づきました。すると自信もついてどんどんうまくなっていきます。
英語にも「しきい値」みたいなものがあり、それを越えれば話せるようになるということが身をもってわかりました。その気付きがきっかけとなり、その3カ月の経験を自分なりに体系化してみるところから、「ALUGO」の開発はスタートしました。
(後編はこちらから)
■河尻亨一 Koichi Kawajiri
銀河ライター主宰、東北芸術工科大学客員教授

早稲田大学政治経済学部卒。マドラ出版を経て独立。雑誌「広告批評」編集部在籍中、広告を中心に多様なカルチャー領域とメディア、社会事象を横断するさまざまな特集を手がけ、多くの表現者にインタビューを行う。現在は編集×広告の実験型レーベル「銀河ライター」を主宰し、紙面やウェブサイトでの執筆・編集、イベントの企画、ファシリテーション、企業の戦略立案、およびPRコンテンツの企画・制作・アドバイスなどを行っている。
■「マネジメントの美学」
これからの時代にイノベーションを起こす経営者に必要な資質とは。マネジメントに必要な決断力、判断力、実行力を形成する経営者自身のフィロソフィー、時代を先取りするセンス、自身の直観を貫く強い意志――。これらを総合的に経営に傾けられる人間力を根底に持ちながら、独自のバリューを追求する経営者に会い、その経営における「美学」(=揺らぐことなき経営への情熱、こだわり、スタイル)を、河尻亨一氏のインタビューを通じて紹介する。
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