割引で失った価値は簡単に取り戻せない

 2009年後半、歴史家が後に「ピザ大戦争」と名づけるであろう戦いをしかけたのは、ドミノ・ピザだ。同社は従来、トッピングが2種類のMサイズのピザを約9ドルで提供していたが、不況にうんざりしている消費者相手に売上げを伸ばそうと、そのうちの2タイプをそれぞれ5.99ドルで販売し始めた。

 それから数週間後、パパジョンズとピザハットがこれに対抗して、トッピングが3種類のLサイズのピザをわずか10ドルで販売した。通常の3分の2以下の値段である。その後すぐに両社は条件をさらに緩め、どれだけトッピングをしてもLサイズのピザは10ドルとしたのだ。

 案の定、3社とも売上げは増加した。そしていまなお、多くのピザ・チェーンが割引価格でピザを販売している。